使用上の
注意事項
ご使用の際は必ず当社の納入仕様書をお求めの上、使用条件の確認を行い、記載値を超える場合や不明な点はお問い合わせください。
コンデンサの誘導体に有機フィルムを使用しているため、過電圧、過電流等で破壊したとき、回路条件によっては、発煙、発火に至ることがあります。
なお、誤使用により発生した損害については、当社は一切その責任を負いませんので、予めご了承ください。
カタログ掲載の仕様、材質、その他の掲載内容について、予告なく変更する場合がありますので予めご了承ください。また、カタログのデータは代表値であり、性能を保証するものではありません。
ご注文に際して
注文の際は次の事項をご照会ください。
- 使用電圧(直流又は交流)
- 公称静電容量、および静電容量許容差
- 使用温度範囲
- 使用機器の種類
- 使用回路(共振・平滑・スナバ、等)
- 使用条件(電圧・電流・周波数・波形、等)
- 寸法、リードピッチ(フォーミング形状・テーピング、等)
- はんだ付け条件
- 使用環境条件
コンデンサの選定
コンデンサを選定する場合は、使用条件に応じた最適なものを選定する必要があります。選定方法を誤ると、コンデンサの特性劣化を進める場合があります。特定の用途に合わせて設計されているものを、それ以外の用途に使用する場合には、ご相談ください。
仕様の確認
使用環境及び取り付け環境を確認の上、コンデンサの納入仕様書に規定した仕様の範囲内でご使用ください。
印加電圧
- 特に指定のない限り、コンデンサに印加される電圧は、サージおよびリプル電圧のピーク値(直流電圧+交流ピーク値)が定格電圧を超えないようにしてください。なお、定格電圧を超える場合は、ご相談ください。
また、定格温度(定格電圧使用最高温度)以上で使用する場合は、納入仕様書に規定の軽減率で定格電圧を軽減してください。 - 直流定格向けの製品で、納入仕様書に交流回路またはパルス回路で使用しても良い、と規定されたものについては、規定の定格を確認し使用してください。
- 2個以上を直列に接続して使用する場合は、ご相談ください。
カテゴリ温度範囲
- 納入仕様書の規定カテゴリ(使用)温度範囲内で使用してください。また、製品によって保存温度と動作温度の区別のある場合は、これを守ってください。
- 規定の温度範囲内でも、急激な温度変化のある環境下で使用しないでください。
- 結露するような高湿度下で使用しないでください。
許容電流
- 納入仕様書に規定されている最大許容電流を超えて使用しないでください。類似形状でも材質、設計によって差があります。また、印加パルスの波形、周波数によっても条件が変わりますのでご相談ください。
- 最大許容電流は、周囲温度によっても制限されます。自己温度上昇および周囲温度を確認してください。
※ご使用の際は必ず当社の納入仕様書をお求めの上、使用条件の確認を行い、記載値を超える場合や不明な場合はお問い合わせ下さい。
充放電回路でのご使用について
規定を超える条件下での急激な充放電は、コンデンサの特性劣化や破壊につながりますので、行わないでください。
うなり音
コンデンサから発生するうなり音は、異電極間に作用するクーロン力によって誘電体であるフィルムが機械的振動を起こすことに起因しています。
特に電源電圧の歪み、高周波成分の含まれる波形などでは高いレベルの音となる場合があります。
コンデンサからのうなり音が問題になる場合は、ご相談ください。
取付け・洗浄
- 取付け(リード線端子形)
- コンデンサのリード線端子をプリント配線板に挿入する場合には、規定以上の引張りやねじり力がかからないようにしてください。
- 形状の大きなコンデンサや振動を受ける機器にコンデンサを取付ける場合には、コンデンサの本体を取付け具やコンデンサに悪影響のない樹脂により固定してください。
- 他の部品と接触しないように取付けてください(他の部品が高電圧、発熱部品である場合、また振動が加わった場合等コンデンサの損傷が考えられます。)
- はんだ付け
コンデンサをはんだ付けする場合、指定の条件で行ってください。
【はんだ付け条件】- フローはんだ付け条件…プリヒート:120℃、90秒以内 / はんだ付け条件:260℃、7秒以下
- 手はんだの場合…こて先温度 380℃ 5秒以内
※いずれの場合も、リード線根本の温度が125℃を超えないようにしてください。
- 洗浄
- はんだ付け後のフラックスを除去するため、洗浄剤(溶剤)を用いて基板等を洗浄する場合、指定の条件で行ってください。
- はんだ付け後は、速やかに洗浄してください。
- 洗浄後の乾燥は、最高使用温度を超えない範囲で速やかに行ってください。
セット使用中の注意
- コンデンサに直接触れないでください。
- コンデンサの端子間を、導電体でショートさせないでください。また、酸およびアルカリ水溶液などの導電性溶液を、コンデンサにかけないでください。
- コンデンサを取付けたセットの設置環境を確認してください。
- コンデンサの使用中に発煙、発火、および異臭が発生した場合は、速やかにコンセントを外してください。
保管・取り扱い
- 保管の条件
- 保管場所は、室内で温度-10~40℃相対湿度75%以下で保管して急激な温度変化、直射日光、腐食性ガス(硫化水素、亜硫酸、塩素、アンモニアなど)のある雰囲気に保管しないでください。
- 荷重を加えないよう、梱包状態のまま保管してください。製品個々の特別な保管を要求されているものは、これを守ってください。
- 取り扱い
- コンデンサに過度の振動・衝撃(落下など)・圧力を加えないでください。
- リード線に過度の力(曲げ・引張りなど)を加えないでください。
- コンデンサを誤って落下させた場合は、特性劣化の恐れがありますのでご使用にならないでください。
廃棄の場合
コンデンサは産業廃棄物に分類されますので、廃棄する場合は、専門の処理業者に依頼してください。
その他
詳細は電子情報技術産業協会の「電子機器用固定プラスチックフィルムコンデンサ使用上の注意事項ガイドライン」(JEITA RCR-2350)をご参照ください。